地価の動向と注意点

地価の動向と注意点

前回記載の路線価(平成20年分)は、平成20年7月1日に公表も参考にして下さい。

■ 2008年の地価公示に基づく、地価の動向と注意点

公示地価は、国土交通省が毎年3月下旬に公表する1月1日時点の土地価格で、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の基準、また国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の基準となるものです。

適正な地価の形成に寄与するために、毎年1回、全国で約3万にのぼる標準的な土地について不動産鑑定士が評価し、国土交通省の土地鑑定委員会がその正常な価格を一般用に示しています。

今回、2008年1月1日時点の地価公示が公表されたので、その概要を整理しました。

●2008年の公示地価、前年からの動向は?

2008年1月1日時点の公示地価における全国平均の上昇率は、商業地(前年比3.8%上昇)、住宅地(前年比1.3%上昇)ともに2年連続上昇しました。

<三大都市圏について>

ニュースでは、「東京・大阪・名古屋の三大都市圏が10.4%と2桁の伸び」と大きく出ましたが、これは景気回復やオフィスビル需要・商業施設の再開発などが背景といわれています。

ただ、その傾向は昨年後半から米国のサブプライムローン問題・改正建築基準法・景観条例などの影響で、伸びが鈍化していることには注意が必要です。

以下、主な数値です。

・3大都市圏平均で、住宅地は4.3%増(2年連続上昇)、商業地は10.4%増(3年連続上昇)。

都心部では、ブランド力の高い地域や優良住宅地、高度に商業業務機能が集積した地区において、年間30%を超える高い上昇を示す地点が見られた。

また、昨年は東京の中心部の上昇が目立ったが、今年は都心周辺部に地価上昇が波及した模様。

・東京圏の住宅地は5.5%増、商業地は12.2%増。

ただ都心でも一部の地点では昨年後半以降上昇が減速している。

米国のサブプライムローン問題、改正建築基準法による建築時期の遅れなどの影響が出てきたとの指摘もある。

・大阪圏の住宅地は2.7%増(2年連続して上昇)、商業地は7.2%増(3年連続上昇)。

大阪市、京都市等において中心商業地の上昇幅が縮小したのがみられる。

・名古屋圏の住宅地は2.8%増(2年連続上昇)、商業地は8.4%増(3年連続上昇)。

<地方圏について>

一方、三大都市圏を除く地方圏は、特に地方中心都市の市街地整備や交通基盤整備等によって利便性・収益性が向上した地区については上昇したところもあり、全体的に下落幅は縮小したものの、依然マイナスで2極分化の傾向は変わらないようです。

以下、主な数値です。

・地方圏全体で、住宅地は昨年△2.7%が△1.8%となり、4年連続して下落幅が縮小。

商業地は平均で△2.8%が△1.4%となり、4年連続して下落幅は縮小。

<その他、工業地について>

景気回復による企業収益の改善等を背景として、工場地・流通業務用地等への需要が活発化しつつあり、1991年(平成3年)以来17年ぶりに全国平均で上昇。

●公示地価の使い方や注意点について

この公示地価は、実際に取引したい土地や相続税評価、固定資産税評価の際の目安にもなり、例えば公示地点より駅に近いなら高いとか、道幅が狭いなら安いといったことを比べるのにも使えますが、あくまで1月1日現在のものです。

今回の公示地価から、三大都市圏の地価上昇や、地方圏の下落幅の縮小が見て取れましたが、昨年半ばから上昇が鈍化するなど傾向が変わっていることには注意が必要です。

今後の地価動向は、景気や金利、不動産の需要と供給のバランス、国内外の不動産投資家の動きなどの影響も受けるので、直近の傾向は知った上で、最終的には不動産鑑定士などの専門家の評価も参考にするようアドバイスが必要でしょう。

<ご参考>H20年地価公示についてはこちら

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