●特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入　具体例②|知的女性のためのお金の学校

●特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入　具体例②

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●特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入

業務主宰役員の判定の実務上の疑問点と具体的事例②

Ｑ＆Ａ（業務主宰役員の意義Ⅱ）＝関連法令等（法法35①、法基通9-2-53）

Ｑ.「業務主宰役員とは、法人の業務を主宰している役員一人を指す概念であり、個人にがぎる（法法35①）」と規定されているが、同族会社の役員構成は親族が中心となっているため「法人の業務を主宰している役員一人を指す」ことが困難なケースが多い、例えば次のような事例の場合、どうはんていするのか具体的に判定事由を示してほしい。
今回は、ケース②～④まで3事例を記載します。

Ｑ．ケース②　オーナー社長の相続開始により配偶者が株式の過半を相続し、社長に就任した

・母社長は、財務、人事等の内部的経営権を掌握している（役員給与4,800万円）

・長男副社長は、会社の営業、外部折衝、技術関係等の会社事業の全責任を行使しているが、財務等については、関知していない。
なお、役員給与6,000万円は、業務の対価と母社長の株式を購入するための資金積立てのため承認されている。

Ａ.業務主宰役員の判定（私見、最終判断は総合的な判断になるため管轄の税務署によります。）
ケース②～④まで全てに当てはまります。

Ａ．ケース②　母社長（代替の利かない経営業務に従事している）

Ｑ．ケース③　オーナー社長の株式を長男、次男が均等に相続し、会社を引き継いだ

・長男社長は株式50％を所有し、会社財務、対外折衝等を行っている（役員給与3,600万円）

・次男副社長は株式50％を所有し、会社の製造業部門を掌握し、人事権、内部意思決定権を有している（役員給与3,600万円）

Ａ．ケース③　長男社長（肩書きのみで判定するティピカルな事例）

Ｑ．ケース④　オーナー会長の長男は副社長で株式を部分的に承継しているが、代表取締役社長は他人の生え抜き社長が専従して活動している

・長男副社長は社長の業務修行中であり、次期以降の株主総会にて代表取締役社長に就任する予定であることは社内で認識されている。

保有株式は父会長40％、長男副社長10％、なお、社長（他人）の所有株式20％である。

・役員給与：父会長4,800万円、社長（他人）4,800万円、長男副社長2,400万円

Ａ．ケース④　父会長（役員給与と実質的経営権の掌握状況）

注意）事例等の判定においては、「業務主宰役員の判定に関する疎明資料」が必要といえるため、特殊支配同族会社の業務主宰役員給与の損金不算入額の特例計算に規定する「明細書」の余白欄を活用し「業務主宰役員の判定事由等を記入する」方法があります。

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